経理・会計SaaSツール30選|4ゾーンで整理する完全ガイド

経理のSaaSを導入しようとしたとき、ツールの多さに圧倒されたことはないでしょうか。

かつては会計ソフト1本か、Excelと紙があれば経理の仕事は回っていました。

それが今では、業務ごとに特化したSaaSが生まれ、それぞれがデータ連携して動くようになっています。

自社に足りないピースを見つけるには、ツールを一つずつ比較する前に、経理の仕事を4つのゾーンに分けて全体地図を描く必要があります。

心臓部となる会計ソフト本体の選択

最初のゾーンは、仕訳を集めて帳簿と決算書を作る経理の心臓部です。

まずはここで、自社の成長ステージに合った基盤を決めます。

  • freee会計:簿記が分からない人でも使えることを徹底した設計で、起業したての会社に強いソフトです。
  • マネーフォワード クラウド会計:銀行やカードの明細を自動で取り込む力と、周辺サービスとの連携の広さが持ち味です。
  • 弥生会計オンライン:デスクトップ時代からの老舗であり、会計事務所とのつながりの強さは随一です。
  • 勘定奉行クラウド:部門別管理や内部統制など、組織が大きくなってから必要になる機能が充実しています。
  • PCA会計クラウド:勘定奉行と同様に、中堅企業向けの管理機能がしっかりしています。
  • マネーフォワード クラウド会計Plus:上場準備企業向けの上位版であり、承認フローや監査対応が強化されています。

会社の規模が大きくなるにつれて、求められる機能も変わっていきます。

最初は手軽なクラウド会計から始め、組織の拡大に合わせて管理機能の強いツールへ移行していくのが自然な流れです。

領収書の手入力をなくす支出まわり

経理・会計SaaSツール30選|4ゾーンで整理する完全ガイドの解説スライド

2つ目のゾーンは、社員の立替経費や会社のカード払いを処理する業務です。

領収書の手入力という、最も嫌われる作業がここに集中しています。

経費精算の定番ツール

  • 楽楽精算:導入社数が非常に多く、交通系ICの読み取りや規定チェックなど、日本企業の経費精算の慣習を網羅しています。
  • バクラク経費精算:AI-OCR(画像から文字を読み取る技術)のスピードと使いやすさが売りです。領収書をスマートフォンで撮影すると、一瞬でデータ化されます。
  • TOKIUM経費精算:領収書の原本を回収して代わりに保管までしてくれるため、ペーパーレスを本気で完成させたい会社に向いています。
  • マネーフォワード クラウド経費:マネーフォワードの会計ソフトとセットで使うと連携がスムーズです。
  • Concur Expense:世界標準の経費精算であり、海外出張が多い会社や外資系企業でよく使われます。

立替精算をなくす法人カード

経費精算を効率化するだけでなく、法人カードを使って「立替精算そのものを無くす」という発想もあります。

  • UPSIDER:限度額の柔軟さとリアルタイムの利用管理で、スタートアップの定番となっています。
  • バクラクビジネスカード:経費精算と一体になっており、カードを切った瞬間に仕訳データができます。
  • freeeカード:freee会計と直結して自動処理されます。

社員に立て替えさせず、最初から会社のカードで払う。

これが、支出まわりの最新トレンドです。

制度対応で普及した請求・入金まわり

3つ目のゾーンは、請求書を出す、受け取る、そして入金を確認する業務です。

インボイス制度や電子帳簿保存法への対応をきっかけに、一気にツールが普及した領域でもあります。

請求書を出す側のツール

  • マネーフォワード クラウド請求書:無料や低価格から始められる定番ツールです。
  • Misoca:弥生グループが提供しており、こちらも手軽に導入できます。
  • board:見積から請求、案件の採算管理までまとめてできるため、受託業やコンサル業に人気があります。
  • バクラク請求書発行:帳票をまとめて電子発行する力が強いツールです。

請求書を受け取る側のツール

出す側はイメージしやすいでしょう。

では、受け取る側はどうでしょうか。

紙やPDFで届く請求書をデータ化し、支払いまで管理するツールがこれにあたります。

  • Bill One:Sansanが提供し、どんな形式の請求書もほぼ100%の精度でデータ化します。
  • バクラク請求書受取:AI-OCRによる処理の速さが特徴です。
  • TOKIUMインボイス:原本保管までのフルサービスを提供します。
  • invox受取請求書:低価格で始めやすいツールです。

入金確認と消込のツール

そして、経理の月末月初を苦しめる入金確認と消込(入金データと請求データを突き合わせる作業)のツールです。

  • 請求管理ロボ:請求書の発行から入金消込、督促までを自動で回します。
  • V-ONEクラウド:入金消込の専門ツールであり、銀行の入金データと請求データを自動で突き合わせます。
  • URIHO:取引先が倒産しても代金が守られる、売掛金の保証サービスです。

請求を出して、お金が入って、確認して消す。

この地味な流れのすべてに、専用の道具が用意されています。

未来の数字を語る攻めの経理

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最後のゾーンは、数字を経営に活かす予実管理や、AIで経理そのものを自動化する領域です。

決算書を作るだけの経理から、未来の数字を語る経理へと進化していきます。

経営管理と予実管理

  • Loglass:部門ごとにバラバラのExcel予算を集めて、予実管理を一元化します。
  • DIGGLE:予算策定から差異分析までの流れを丁寧に作ることができます。
  • Manageboard:マネーフォワードグループであり、会計データとつないだ予測が得意です。

経理業務を自動化するAI

さらに、経理業務そのものをAIに渡していくためのツールもあります。

  • ファーストアカウンティング:経理特化のAIを開発しており、大企業の経理部門の自動化を支えています。
  • DX Suite:AI-OCRの国内代表格であり、手書き帳票も含めてデータ化します。

失敗しないツールの選び方

これだけ多くのツールがあると、結局どれを入れればいいのか迷うかもしれません。

選び方の軸は3つあります。

1つ目は、会計ソフト本体を先に決めることです。

freee系で揃えるか、マネーフォワード系で揃えるかで、周辺ツールの相性が変わってきます。

2つ目は、一番痛い業務から1つだけ入れることです。

経費精算が地獄なら経費精算を、消込が地獄なら消込を選びます。

すべて一気に進めると、現場が混乱してほぼ確実に失敗します。

3つ目は、連携を必ず確認することです。

単体で優れたツールであっても、会計ソフトにデータが流れないと、結局は手入力が残ってしまいます。

まとめ

経理のSaaSは、業務の流れに合わせて4つのゾーンで整理できます。

  • 経理のSaaSは、会計ソフト本体、支出まわり、請求・入金まわり、攻めの経理の4ゾーンに分かれます。
  • 最新のトレンドは、立替を無くし、紙を無くし、消込を自動にすることです。
  • ツールを選ぶ際は、会計ソフト本体を先に決め、一番痛い業務から1つずつ、連携を確認しながら導入します。

制度対応をきっかけにツールを導入することは、実は業務そのものを変えるチャンスでもあります。

自社の課題に合ったツールを見極め、少しずつ経理の形を新しくしていってください。

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