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この記事の内容は、図解スライド資料「社員が辞めたら72時間以内にやること ― 退職時の労務・情シス・総務チェックリスト」として無料配布しています。

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社員が辞めたら72時間以内にやること ― 退職時の労務・情シス・総務チェックリスト

退職対応は誰の仕事か

社員が退職する際の手続きは、社内のどこに責任があるのでしょうか。

労務が保険や税の書類を処理し、情シスがアカウントやデバイスを管理し、総務が鍵や備品を回収する。手続きは三つの部門にまたがっています。しかし、全体の進行を管理する責任者が決まっていない会社が大半です。

中小企業では、これら三つの役割を一人か二人で兼務していることも珍しくありません。日常業務に追われる中で退職者がでると、各担当者の間で、誰かがやっただろうという思い込みが生まれます。

入社時と違い、退職時は本人の協力を得にくいことも事態を難しくします。最終出社を終えれば連絡がつきにくくなり、必ずしも協力的であるとは限りません。自発的な申告に頼る運用には、限界が訪れます。

最終出社からの72時間が勝負になる理由

社員が辞めたら72時間以内にやること ― 退職時の労務・情シス・総務チェックリストのスライド

手続きにはそれぞれ期限がありますが、すべてを同じ緊張感で処理する必要はありません。勝負を決めるのは、最終出社からの72時間です。

この期間に塞がなければならないのは、会社への侵入経路です。アカウント、デバイス、そして物理的な鍵。これらが一日でも生きたまま残れば、会社の資産は無防備な状態に置かれます。

労務の手続きは、その後からでも期限管理で追うことができます。しかし、侵入経路の遮断だけは後回しにするわけにはいきません。

時系列で見る三部門の動き

退職対応を滞りなく終えるには、退職決定時から退職後一ヶ月までの期間を五つの段階に分け、それぞれの部門が連動して動く必要があります。

退職決定時から最終出社日まで

退職の意思が示されたら、まずは口頭ではなく書面やデータで退職日を確定させます。ここがすべての起点になります。

労務は有給休暇の消化スケジュールを合意し、退職理由を記録します。自己都合か会社都合かの区分は、後の離職票や給付の内容に直結するためです。住民税の処理は退職する月によって扱いが変わるため、普通徴収への切り替えや最終給与からの一括徴収など、方針を早めに決定します。

同じ時期に、情シスは本人が利用しているすべてのアカウントの棚卸しを始めます。業務で使うソフトウェアのサービスや社内システムだけでなく、複数人で使い回している共有アカウントも特定しなければなりません。重要データへのアクセス権限は、退職決定の時点から段階的に絞っていきます。従業員個人のスマートフォンなどを業務で利用している場合は、業務データの削除手順を事前に合意しておきます。

総務は貸与物のリストを確認し、返却のスケジュールを本人と合意します。使用頻度の低い備品や機材は、最終出社を待たずに先行して回収を進めます。

最終出社日当日

最終出社日は、72時間の本丸です。

労務は健康保険証を回収し、秘密保持誓約書などの退職時書類を受け取ります。

情シスは、特定しておいた全アカウントの停止、またはパスワードの変更を一斉に行います。個人のアカウントだけでなく、共有アカウントのパスワードも変更しなければ、退職者がログインできる状態が残ってしまいます。あわせて、多要素認証のデバイス解除や、パソコン、スマートフォンなどの回収とデータ保全を行います。

総務は、物理的な鍵や社員証、入館カードを回収し、入館システムの権限も同時に停止します。

当日の目標は、翌朝に本人が会社のどこにもログインできず、物理的にも入れない状態を作ることです。

退職後一週間から一ヶ月

退職後の一週間は、労務にとって期限のある役所手続きが集中する期間です。社会保険や雇用保険の資格喪失手続き、住民税の異動届など、法令で定められた短い期限内に処理しなければならない書類が続きます。

情シスは、停止したアカウントの削除やアーカイブ化を進め、退職前後のアクセスログを確認します。大量のデータダウンロードや不審なアクセスがなかったかを点検します。

一ヶ月が経つ頃には、離職票が本人に届いたかの確認や、源泉徴収票の発行、退職金の支払いなどを行います。退職後に会社へ届く本人宛の郵便物についても、転送するのか破棄するのか、処理のルールを決めておきます。

最後に、情シスと総務は未返却の貸与物がないか、解約漏れの有料ライセンスがないかを総点検します。退職対応は、完了の記録を残して初めて終わります。

放置が引き起こす三つのリスク

社員が辞めたら72時間以内にやること ― 退職時の労務・情シス・総務チェックリストのスライド

手続きが漏れたまま放置されると、どのような事態を招くのでしょうか。

不正アクセスと情報持ち出し

退職者のアカウントが生きたまま残ると、退職後にもログインできてしまいます。本人が意図して顧客リストや設計データを持ち出すこともあれば、放置されたアカウントが第三者に悪用されることもあります。

共有アカウントのパスワードを変更し忘れるのは、典型的な抜け穴です。ログを監視していなければ、情報が持ち出されたことすら発覚しません。

手続き遅延によるトラブル

離職票や源泉徴収票の発行が遅れると、退職者の失業給付の受け取りや転職先での手続きが滞ります。これは単なる事務の遅れでは済みません。退職者からのクレームや紛争、あるいは行政指導の火種になります。

幽霊アカウントの隠れコスト

解約されないまま放置されたソフトウェアのライセンスは、毎月の固定費として垂れ流しになります。一人分は少額でも、退職者が重なれば見過ごせない金額に膨らみます。

属人対応から仕組みへの移行

退職対応の質を、担当者の記憶力や注意力に頼っていては限界があります。個人の努力ではなく、次のような仕組みへ移行する必要があります。

  • 退職届の受理を合図に、三部門へ自動的に作業が割り振られる業務フローの標準化
  • 一箇所で停止操作をすれば連動するすべてのサービスが止まる、アカウント管理の一元化
  • 誰がどのサービスを使っているかの棚卸しを自動化するツールの活用
  • 退職時の対応とは別に、数ヶ月に一度の頻度ですべてのアカウントを見直す定期的な棚卸し

人数が少ない会社ほど、こうした仕組み化の恩恵は大きくなります。

次の退職者が出る前に備える

退職対応は三部門を横断するため、全体像が見えにくく、抜け漏れが起きやすい性質を持っています。だからこそ、最終出社からの72時間で侵入経路を塞ぎ、その後の手続きを期限通りに処理する体制を整えておく必要があります。

当社が提供するホワイトペーパー「社員が辞めたら72時間以内にやること」には、労務、情シス、総務の三部門が五つの段階で何をすべきかを網羅した実務チェックリストが収録されています。

退職者が出るたびにコピーして使える作りになっています。自社の貸与物や利用しているシステムに合わせて項目を調整し、次の退職者が出る前に備えておくことをお勧めします。

WHITEPAPER

社員が辞めたら72時間以内にやること ― 退職時の労務・情シス・総務チェックリスト

アカウント放置・保険証未回収・離職票の遅れ ― 退職対応の抜け漏れをゼロにする、時系列×3部門の実務チェックリスト

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