業務を可視化したら、次は「どこを、どう変えるか」です。やみくもに手を付けるのではなく、検討の順番を決めてくれるのがECRS原則です。

ECRSは、業務改善で長く使われてきた王道のフレームワークで、4つの視点の頭文字をとったものです。

ECRSの4つの視点

ECRSは、効果が大きく副作用の少ない順に検討するのが定石です。上から順に当てはめていきます。

  • E:Eliminate(排除)― そもそもこの作業は必要か?やめられないか
  • C:Combine(結合)― 複数の作業をまとめられないか/一度で済ませられないか
  • R:Rearrange(再配置)― 順番や担当を入れ替えると速くならないか
  • S:Simplify(簡素化)― 残った作業を、より簡単・自動にできないか

管理部門での具体例

たとえば、毎月の請求業務を例にとると、次のように検討できます。

  • 排除:誰も見ていない確認用の控え印刷をやめる
  • 結合:別々に行っていた金額確認と宛名確認を1工程にまとめる
  • 再配置:月末に集中していた作業を、日次で前倒しに分散する
  • 簡素化:手入力をテンプレート化・自動化し、転記をなくす

AI・自動化は最後の「S」

注意したいのは、AIやRPAによる自動化はECRSの最後の「S(簡素化)」にあたるという点です。不要な作業(E)や重複(C)を残したまま自動化すると、「ムダを高速に回す仕組み」ができてしまいます。

まず排除・結合・再配置で業務そのものを整えてから、残った定型作業をAIや自動化に任せる。この順番が、投資を無駄にしないコツです。

まとめ

  • ECRSは排除→結合→再配置→簡素化の順で業務を見直すフレーム
  • 効果が大きく副作用の少ない「排除」から検討するのが定石
  • AI・自動化は最後の手段。ムダを残したまま自動化しない

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